LPSサンゴの給餌|ターゲットフィーディングの方法と頻度
LPSサンゴにターゲットフィーディングを行う際の基本手順と頻度・量の目安、給餌時の注意点を解説する。LPSサンゴになぜ給餌が必要なのか LPS(ハンマーコーラルやトーチコーラルなど肉厚な触手を持つ大型ポリプ系のサンゴ)の多くは、体内に共生する褐虫藻からの光合成産物を主なエネルギー源としながらも…

この記事のポイント
LPSサンゴにターゲットフィーディングを行う際の基本手順と頻度・量の目安、給餌時の注意点を解説する。LPSサンゴになぜ給餌が必要なのか LPS(ハンマーコーラルやトーチコーラルなど肉厚な触手を持つ大型ポリプ系のサンゴ)の多くは、体内に共生する褐虫藻からの光合成産物を主なエネルギー源としながらも…
LPSサンゴになぜ給餌が必要なのか
LPS(ハンマーコーラルやトーチコーラルなど肉厚な触手を持つ大型ポリプ系のサンゴ)の多くは、体内に共生する褐虫藻からの光合成産物を主なエネルギー源としながらも、触手を使って動物性のプランクトンなどを捕えて栄養を補う性質を持ちます。光だけに頼るよりも、給餌によって直接栄養を取り込むことで、体のふくらみや発色、増殖のペースが安定しやすくなる個体も多いです。特に触手が大きく発達した種類ほど、給餌に対する反応がわかりやすく、飼育の楽しみの一つにもなっています。LPSサンゴ入門|丈夫で色鮮やかな人気種と飼育の要点で触れているように、LPSは丈夫で扱いやすい種類が多い一方、給餌の有無で状態に差が出やすいグループでもあります。
ターゲットフィーディングの基本手順
ターゲットフィーディングとは、水槽全体に餌をばらまくのではなく、スポイトやピンセットなどを使って狙ったサンゴの触手に直接餌を届ける方法です。まず水流を一時的に弱めるか止め、餌が周囲に流されないようにします。次にスポイトの先を触手のすぐ近くまで近づけ、ゆっくりと少量ずつ餌を出します。触手が餌を感知すると、絡めとるように動いて口の方向へ運んでいく様子が観察できます。餌を口元まで運びきれていないようであれば、ピンセットで軽く触手の中心付近に寄せてあげると取り込みやすくなります。給餌後は数十分ほど水流を弱めたままにし、消化の様子を見てから通常の水流に戻すとよいでしょう。
種類別の給餌の反応の違い
LPSの中でも種類によって触手の反応や餌への食いつき方には違いがあります。ユーフィリアの飼育|ハンマー・トーチ・フロッグスポーンの育て方で扱われているハンマーコーラルやトーチコーラル、フロッグスポーンは触手が長く伸びるため、餌を触手の先端付近に近づけると反応しやすいです。ダンカンコーラルのように群体で触手を広げる種類は、個々のポリプに満遍なく餌が行き渡るよう少し時間をかけて回すとよいでしょう。夜間に触手を大きく広げて餌を捕えるキサンゴのように、褐虫藻をほとんど持たず光合成にあまり頼らない種類は、給餌そのものが栄養源の中心になるため、給餌の有無が状態に直結しやすい点に注意したいところです。
給餌頻度と量の目安
給餌の頻度は種類や個体の大きさ、水槽全体の生体量によって幅があるが、多くの場合は週に数回、無理のない範囲で行う飼育者が多いです。一度に与える量は、触手が数分以内に取り込みきれる程度にとどめ、食べ残しが水中に漂ったままにならないようにすることが大切です。餌を与えすぎると水質の悪化につながりやすく、逆に少なすぎると栄養補給の効果が薄くなるため、個体の反応やポリプの膨らみ具合を見ながら量を調整していくとよいでしょう。給餌後しばらくしてポリプが元の大きさに戻り、触手の張りが良い状態が続いているようであれば、その頻度・量がその個体には合っていると判断しやすいです。反対に、給餌のたびに閉じたままの時間が長引くようであれば、量や間隔を見直すサインと捉えるとよいでしょう。
給餌時の水質管理と注意点
給餌後は残った餌のかすや排泄物によって水質が一時的に乱れやすくなります。プロテインスキマーなどのろ過機器が正常に働いているかを普段から確認し、給餌の頻度や量が水槽の処理能力を超えないようにすることが望ましいです。また、給餌直後は複数のLPS同士の触手が伸びて隣の個体に触れやすくなることもあるため、LPSサンゴの配置・共存|スイーパー触手と接触攻撃を避ける間隔の考え方で触れている設置間隔にも注意しておくと安心です。
給餌がうまくいかないときの判断
給餌を試みても触手が反応しない、あるいは餌を与えた後に体調を崩したように見える場合は、水質や水流、光量など他の要因に問題がないかをまず確認したいところです。それでも改善が見られない、あるいは判断に迷う症状が続く場合は、自己判断で対処を続けるのではなく、アクアリウム専門店のスタッフや経験豊富な飼育者、必要であれば海水魚を診られる獣医などに相談することをおすすめします。基本の飼育条件はLPSサンゴ入門、図鑑での各品種の特徴はサンゴ図鑑から確認できるので、給餌の判断材料として役立てていただければと思います。





