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SPS| ✍️ リーフブック編集部

SPSサンゴのRTN・STN(組織壊死)の原因と対処

SPSサンゴに起こる急性組織壊死(RTN)と緩性組織壊死(STN)の違い、発生の引き金になりやすい要因、早期発見のサイン、対処と予防の考え方をまとめました。RTN・STNとはどのような現象か SPSサンゴの飼育でしばしば話題になるRTN(Rapid Tissue Necrosis、急性組織壊死)とSTN(Slow…

トゲサンゴ
トゲサンゴ

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SPSサンゴに起こる急性組織壊死(RTN)と緩性組織壊死(STN)の違い、発生の引き金になりやすい要因、早期発見のサイン、対処と予防の考え方をまとめました。RTN・STNとはどのような現象か SPSサンゴの飼育でしばしば話題になるRTN(Rapid Tissue Necrosis、急性組織壊死)とSTN(Slow…

RTN・STNとはどのような現象か

SPSサンゴの飼育でしばしば話題になるRTN(Rapid Tissue Necrosis、急性組織壊死)とSTN(Slow Tissue Necrosis、緩性組織壊死)は、いずれもサンゴの軟組織が骨格から剥がれ落ちていく現象を指す通称です。RTNは数時間〜1日程度という短い時間で組織が急速に後退していくのに対し、STNは数日〜数週間かけてじわじわと組織が縮小していく点が大きな違いとされています。

ミドリイシ(Acropora)コモンサンゴ(Montipora)トゲサンゴ(Seriatopora)ショウガサンゴ(Stylophora)などのSPS種で報告例が多く、いずれも単一の病原体による「病気」というより、複数のストレス要因が重なって組織の維持機能が破綻した結果起きる現象と考えられています。

発生の引き金になりやすい要因

RTN・STNの引き金として挙げられることが多いのは、水温の急激な変化、pH・比重・KHなど水質パラメーターの急変、導入直後の輸送ストレス、フラグ化やカットの際の物理的な損傷、強すぎる水流や光量による組織へのダメージ、そして水槽内の細菌バランスの乱れです。単独の要因だけでなく、複数が同時に重なったときに発症しやすいとされています。

特に注意したいのが導入直後のタイミングです。輸送によるストレスを抱えた個体は組織の防御機能が弱っている状態にあるため、導入直後に水質や水温が大きく変動する環境に置かれると、RTNのきっかけになりやすいと言われています。サンゴの選び方と持ち込み時のトリートメントで紹介している検疫の考え方は、こうしたリスクを減らす観点でも重要です。

早期発見のためのサインと観察のポイント

進行が早いRTNは、骨格の一部が白く透けて見え始めたら数時間単位で組織が後退していくため、日々の観察でわずかな変化にも気づけるようにしておくことが被害を最小限に抑える鍵になります。組織が骨格から剥離すると、剥がれた部分に薄い粘液状の膜や白い骨格の露出が見られることが多く、通常時のポリプの開き具合や色調と比較して違和感がないかを毎日チェックする習慣が有効です。

STNの場合は進行が緩やかな分、初期段階では見過ごされやすい傾向があります。枝の先端や根元など、特定の部位から徐々に組織が薄くなっていないか、色が周囲より薄くなっていないかを定期的に確認しておくと早期発見につながります。

進行を止めるための一般的な対処

組織の後退が確認できた場合、まず検討されるのが後退が進んでいる部分より健全な側で骨格ごとカットし、被害を受けた組織を物理的に取り除く方法です。健全な部分をフラグ(小片)として切り出し、別の容器や隔離スペースに移すことで、本体や他の個体への影響を抑えられる可能性があります。

あわせて、水流をやや強めて患部に有機物や細菌が滞留しにくい環境を作る、水質(特にアンモニア・亜硝酸・栄養塩)を確認して急変がないかチェックするといった対応が一般的に紹介されています。ただしRTN・STNは進行を完全に止められないケースもあり、必ず回復するとは限らない点は理解しておく必要があります。

日常的な予防のための管理

RTN・STNを未然に防ぐ観点では、水温・比重・KHなどの水質パラメーターをできるだけ安定させ、換水や添加剤の投入も一度に大きく変えず少しずつ調整することが基本になります。新規個体を迎える際は、既存水槽にいきなり本格導入するのではなく、サンゴの選び方と持ち込み時のトリートメントで触れているような検疫期間を設け、状態を見極めてから本水槽に移す流れが安全です。

また、フラグ化やレイアウト変更でサンゴに触れる作業は、必要最小限の頻度・時間にとどめ、組織への物理的なストレスを減らすことも予防につながります。

改善しない場合は専門家に相談を

自宅での対処を試みても症状が進行し続ける場合や、複数の個体で同時に同様の症状が出ている場合は、水質全体に根本的な問題が潜んでいる可能性があります。自己判断だけで抱え込まず、アクアリウム専門店やサンゴ海水魚の飼育経験が豊富な専門家に、水質データや症状の経過を伝えて相談することをおすすめします。原因の特定や対処には個体差・水槽差が大きく関わるため、「これをすれば必ず治る」といった断定的な情報だけに頼らず、状況に応じた判断を心がけることが被害の拡大を防ぐ近道になります。

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リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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