メインコンテンツへスキップ
ソフトコーラル| ✍️ リーフブック編集部

ソフトコーラルの増やし方|株分けとカットで増殖させる基本

スターポリプやゾアンサス、ウミキノコなど丈夫なソフトコーラルを対象に、株分け(ディビジョン)とカット(フラグ)による増殖の基本的な考え方と注意点を紹介します。ソフトコーラルはなぜ増やしやすいのか ソフトコーラルは硬い骨格を持たないサンゴの総称で、SPS・LPSサンゴと比べて成長が早く…

ケニアツリーコーラル
ケニアツリーコーラル

この記事のポイント

スターポリプやゾアンサス、ウミキノコなど丈夫なソフトコーラルを対象に、株分け(ディビジョン)とカット(フラグ)による増殖の基本的な考え方と注意点を紹介します。ソフトコーラルはなぜ増やしやすいのか ソフトコーラルは硬い骨格を持たないサンゴの総称で、SPS・LPSサンゴと比べて成長が早く…

ソフトコーラルはなぜ増やしやすいのか

ソフトコーラルは硬い骨格を持たないサンゴの総称で、SPS・LPSサンゴと比べて成長が早く、切断や分割からの回復力が高い種が多いことで知られています。スターポリプマメスナギンチャク(ゾアンサス)ウミキノコといった種は、飼育下でもポリプが匍匐(ほふく)するように広がったり、株元から新しい個体が独立したりする様子が観察されることがあり、増殖に挑戦しやすいグループとして紹介されることがよくあります。

増殖の方法は大きく分けて「株分け(ディビジョン)」と「カット(フラグ)」の2種類があります。どちらの方法が向いているかは種の成長様式によって異なるため、それぞれの特徴を理解した上で挑戦することが大切です。

株分け(ディビジョン)で増やす方法

マメスナギンチャク(ゾアンサス)スターポリプのように、共肉(共通の組織)でつながった群体を形成する種は、岩ごと分割する、あるいは共肉に切れ込みを入れて群体を物理的に分ける「株分け」で増やせることがあります。ライブロックやプラグに定着している場合は、土台ごとカットして分けることで、それぞれが独立した個体として成長していく様子が見られます。

株分けを行う際は、清潔な道具を使い、作業はできるだけ短時間で済ませることが基本です。作業中はサンゴが強いストレスを受けるため、水質や水温が安定した状態の水槽で行い、作業後はしばらく水流を穏やかにして様子を観察すると良いでしょう。

カット(フラグ)で増やす方法

ウミキノコのようなキノコ状のソフトコーラルや、キサンゴ(パルスコーラル)のように枝状に伸びるタイプは、本体から一部を切り取って新しい土台に活着させる「カット(フラグ)」による増殖が広く行われています。カットした断片は、接着剤やゴムバンドなどでプラグやライブロックの欠片に固定し、水流の当たる位置で管理しながら活着を待ちます。

カットする位置や大きさは種によって適した範囲が異なり、無理に大きく切り取ると親株・子株の双方に負担がかかることがあります。初めて挑戦する場合は、成長が旺盛でリカバリーの早い種から少しずつ試すのが安全な進め方です。

増殖後の管理と定着までの注意点

カットや株分けを行った直後は、断面から粘液を出したり、一時的にポリプを閉じたりすることがあります。これは組織がダメージから回復しようとする過程でよく見られる反応で、多くの場合は数日から数週間かけて徐々に元の状態に戻っていきます。この間は強い水流や急激な光量変化を避け、水質を安定させることが定着を助けます。

また、切り分けた直後の断片は水槽内の他の生体、特に小型の魚やヤドカリなどに突かれることがあるため、落ち着くまではネットで保護したり、他の生体と距離を取れる位置に置いたりする工夫も有効です。

増殖に挑戦する前に知っておきたいこと

ソフトコーラルの増殖は、器具や技術よりも「親株が健康で安定した状態にあるか」が何より重要です。色つやが悪い、ポリプの開きが悪いなど体調が思わしくない個体を無理に分割すると、親株・子株ともに調子を崩す原因になります。増殖に挑戦する前に、まずは飼育している個体が数週間以上安定した状態を保てているかを確認しましょう。

増やした個体をどう記録・管理していくかという視点も、長くサンゴ飼育を楽しむ上で役立ちます。系統や来歴を記録しておくことで、増殖を重ねた個体がどのように育っていったかを振り返ることができます。

増やした個体の来歴を記録する意味

株分けやカットで増やした個体は、元となった親株から分かれた「同一系統」の個体です。どの個体からいつ分けたのか、どのくらいの大きさから始めたのかを記録しておくと、同じ系統の個体が水槽ごとにどのように成長・発色していくかを比較できるようになります。

特に複数の水槽で同じ系統を育てている場合や、知人と個体をやり取りするような場面では、来歴が分かることでその個体の背景を共有しやすくなります。増殖は単に数を増やす作業ではなく、一つの個体の歴史を枝分かれさせていく行為でもあるため、写真や日付とあわせて記録を残しておくことをおすすめします。

増殖に向いている水槽環境かどうかの見極め

増殖作業を安定して行うには、日常的に水質が大きく変動しない水槽であることが前提になります。水換えのたびに数値が大きく上下する、コケが頻発するといった状態の水槽では、増殖作業によるストレスが親株・子株双方にとって重荷になりやすくなります。

まずは通常の飼育管理を安定させ、水質や照明、水流が一定のリズムで保てるようになってから増殖に挑戦することで、失敗のリスクを抑えながら経験を積むことができます。

✍️

リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

編集方針について

次に読む

サンゴをもっと知る・記録する

リーフブックは、サンゴの図鑑と飼育記録のプラットフォームです。

この記事に関連する図鑑