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海水水槽| ✍️ リーフブック編集部

植物プランクトン・コペポーダの添加と培養|リーフタンクの微小生物の役割

リーフタンクにおける植物プランクトンとコペポーダの役割、添加・繁殖の考え方と、利用する生体・魚について整理します。リーフタンクの話題は、サンゴそのものの飼育法に目が向きがちですが、水槽の中では植物プランクトンやコペポーダ(カイアシ類)といった目に見えにくい微小生物も、生態系の一部として働いています。

フィソジラ(パールバブル)
フィソジラ(パールバブル)

この記事のポイント

リーフタンクにおける植物プランクトンとコペポーダの役割、添加・繁殖の考え方と、利用する生体・魚について整理します。リーフタンクの話題は、サンゴそのものの飼育法に目が向きがちですが、水槽の中では植物プランクトンやコペポーダ(カイアシ類)といった目に見えにくい微小生物も、生態系の一部として働いています。

リーフタンクの話題は、サンゴそのものの飼育法に目が向きがちですが、水槽の中では植物プランクトンやコペポーダ(カイアシ類)といった目に見えにくい微小生物も、生態系の一部として働いています。トサカ類とヨコエビの関係を扱った別記事ではヨコエビという比較的大きな微小生物を取り上げましたが、ここでは植物プランクトンとコペポーダという、さらに小さな階層の生物に焦点を当てます。

リーフタンクにおける植物プランクトンとコペポーダの位置づけ

植物プランクトンは光合成を行う単細胞の微細藻類で、海水中の基礎生産者にあたります。コペポーダはその植物プランクトンや有機物のかけらを食べる小型の甲殻類で、多くの海洋生物にとって基本的な餌資源となっています。天然のサンゴ礁では、この「植物プランクトン→コペポーダ→それを食べるより大きな生物」という食物連鎖が、目に見えない規模で常に回っています。

閉鎖環境である水槽の中では、この連鎖が自然には十分に成立しないことが多いため、植物プランクトンを添加してコペポーダの餌にしたり、コペポーダそのものを水槽やリフジウムに定着させたりする管理が、微小生物相を育てる手段として行われています。

植物プランクトンの添加|何のためのものか

植物プランクトンの添加剤(いわゆる「培養液」タイプの製品)は、水槽に直接投入して使うのが一般的です。ここで押さえておきたいのは、植物プランクトンの主な役割が「コペポーダなど微小な動物プランクトンの餌になる」という点であり、植物プランクトンがサンゴに直接効く(色揚げや成長を直接促進する)と断定できるものではないということです。効果の実感には個体差・環境差が大きく、栄養塩管理や照明・水流といった基本条件が整っていて初めて意味を持つ、あくまで補助的な要素として捉えておくのが実務的です。

添加にあたっては、次のような点を意識しておくと管理しやすくなります。

  • 添加量は水槽サイズや、すでに水槽内にいるコペポーダ・微小生物の量に応じて少量から様子を見て調整する
  • 添加しすぎると水が白く濁ったり、栄養塩(リン酸塩・硝酸塩)の負荷が増えたりすることがあるため、栄養塩測定と合わせて管理する
  • リフジウムや反射的に光が当たる場所に少量を滴下し、コペポーダの繁殖エリアに集中して与えるという使い方もある

コペポーダを増やす|繁殖と生息環境づくり

コペポーダは、隠れ場所と餌があれば水槽内でも自然に繁殖します。繁殖を後押しする環境としてよく使われるのが、多孔質のライブロックやチャエトモルファ(マクロアルジェ)を茂らせたリフジウムです。リフジウムは水流が緩やかで捕食者(魚)から隔離されているため、コペポーダが外敵に食べられずに増える避難場所として機能します。栄養塩を輸出する仕組みとしてのリフジウムの役割は別記事で扱っていますが、微小生物の繁殖場所としての側面もあわせて持っています。

繁殖を促すポイントは次のとおりです。

  1. リフジウムやサンプの一角にマクロアルジェや多孔質ロックを配置し、隠れ場所を確保する
  2. 植物プランクトンを定期的に少量添加し、餌切れを起こさせない
  3. メイン水槽側に魚を入れすぎず、コペポーダが捕食され尽くさない個体数バランスを保つ

誰がこの微小生物を利用しているのか

コペポーダやその幼生(ナウプリウス)は、さまざまな生体にとって重要な餌資源になり得ます。たとえば非光合成性(褐虫藻を持たない、あるいはその依存度が低い)サンゴやシャコガイのような濾過摂食性の生物は、水中の微細な植物プランクトンやコペポーダを取り込んで栄養にしていると考えられています。SPS・LPSのポリプも、ターゲットフィーディングの対象としてコペポーダの幼生のような微粒子飼料を利用することがありますが、これはあくまで給餌メニューの一つであり、コペポーダの添加だけでサンゴの栄養状態が十分になるわけではありません。

魚の側では、ニシキテグリのような常に生きた小さな獲物を探して捕食する習性の強い魚種にとって、水槽内でコペポーダの個体群が維持されているかどうかは、餌付けの難易度に関わる要素として語られることが多くあります。こうした魚を迎える場合は、コペポーダの供給だけに頼らず、餌付けの状況を継続して観察することが欠かせません。

導入時の注意点

植物プランクトン・コペポーダの添加は、水槽の微小生物相を豊かにする補助的な手段であり、水質管理や照明・水流といった基本条件の代わりにはなりません。添加を始める際は、まず少量から試して水質への影響を確認し、リフジウムなど隠れ場所となる環境を整えたうえで、時間をかけて個体群を育てていくという姿勢で臨むのが現実的です。

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リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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