ケイ酸塩(シリケート)とケイ藻(茶ゴケ)の発生|栄養源の入口を見直す考え方
ケイ酸塩が水槽に入る経路と、ケイ藻との関係、測定と原水管理、除去メディアの一般的な使い方を整理します。水槽の立ち上げ初期や、環境が変わったあとに、底砂や岩、ガラス面が茶色いもので覆われることがあります。いわゆる茶ゴケで、ケイ藻が関わっていることが多いといわれます。

この記事のポイント
ケイ酸塩が水槽に入る経路と、ケイ藻との関係、測定と原水管理、除去メディアの一般的な使い方を整理します。水槽の立ち上げ初期や、環境が変わったあとに、底砂や岩、ガラス面が茶色いもので覆われることがあります。いわゆる茶ゴケで、ケイ藻が関わっていることが多いといわれます。
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水槽の立ち上げ初期や、環境が変わったあとに、底砂や岩、ガラス面が茶色いもので覆われることがあります。いわゆる茶ゴケで、ケイ藻が関わっていることが多いといわれます。ケイ藻はケイ酸塩(シリケート)を利用して増える生き物で、水槽にケイ酸塩が入る経路を見直すと、対策の糸口になる場合があります。この記事では、ケイ酸塩という栄養源の入口と、測定・除去の考え方に絞って整理します。
ケイ酸塩とは何か
ケイ酸塩は、ケイ素を含む成分のことで、自然界の水や砂、岩などに広く含まれています。ケイ藻は、細胞の殻にケイ酸を使うため、水中のケイ酸塩が増えると、増殖しやすくなるといわれています。
ただし、ケイ酸塩が多いと必ずケイ藻が増える、というわけではありません。光の強さ、リン酸や硝酸などほかの栄養塩、水槽の立ち上げからの期間など、複数の要素が関わります。ここでは、ケイ酸塩を一つの要因として捉え、原因を断定しないことを前提に進めます。
ケイ酸塩が水槽に入る主な経路
ケイ酸塩は、日々の作業の中で意図せず水槽に入ってくることがあります。代表的な経路は次のとおりです。
- 水道水そのものに含まれている成分
- RO 膜を通しても完全には取り除かれず、透過してくる成分
- 人工海水の原料に含まれる成分
- 新しく入れた底砂や岩、飾りに含まれる成分
- 餌や添加剤に含まれる成分
とくに、水道水を原水にしている場合は、その地域の水質や季節によって含まれる量が変わります。RO 装置を使っていても、ろ過材の寿命が近づくと除去が不十分になることがあります。原水の管理については RO/DI 水と水道水の水質 で詳しく扱っています。
ケイ酸塩とほかの生物への影響
ケイ酸塩は、ケイ藻だけでなく、海綿(スポンジ)など、ケイ酸を骨格に使う生き物にも関わります。水槽内で海綿が増える現象は、ケイ酸塩の存在と結び付けて語られることもありますが、これも原因を一つに決めつけることはできません。
ケイ酸塩を極端に取り除くと、ケイ酸を必要とする生き物に影響が出る可能性もあります。ケイ藻対策のつもりで過度に除去するのではなく、水槽全体のバランスを見ながら進めるのが現実的です。
測定の考え方
ケイ酸塩の濃度は、専用のテストキットで測ることができます。ただ、測定値だけで原因が決まるわけではありません。大切なのは次の三点です。
- 同じキットで、同じ手順を守って測り、変化の傾向を見る
- 水槽内の水だけでなく、補充に使う原水や新しい人工海水も測る
- 測定の日付と、そのときの水槽の状態(茶ゴケの量など)を記録する
水槽の水より原水のほうが高い値であれば、入口を見直す手がかりになります。テストキットの種類や測る頻度は 水質テストキットと測定頻度 にまとめています。ほかの水質項目の基本は 海水水槽の水質の基本 も参考にしてください。
原水の管理を見直す
測定してみて、原水に含まれる量が多いとわかった場合は、入口側の対策が有効なことがあります。
- RO 膜やろ過カートリッジの交換時期を確認する
- 装置のあとに取り付けるイオン交換樹脂の状態を点検する
- 人工海水を溶かす前に、使用する水を測る
- 新しく入れる底砂や岩は、事前に洗って様子を見る
原水の質を整えることは、ケイ藻だけでなく、ほかの藻類対策にも役立ちます。水槽の水を補充する前に、一度測る習慣を付けておくと安心です。
ケイ酸除去メディアの使い方の一般論
水槽内のケイ酸塩を下げる手段として、ケイ酸を吸着するろ過メディアが市販されています。使うときの一般的な考え方は次のとおりです。
- 製品の説明書に従い、少量から始める
- 使用中も定期的に測定して、変化を確認する
- メディアが飽和すると、取り込んだ成分を再び放出するおそれがあるため、交換時期を守る
- 効果は水槽の状況によって異なり、必ず下がるとは限らない
メディアは、原水の見直しと組み合わせて使うことが多く、単独で問題を解決する道具ではありません。水を循環させる強さや置き場所も、効き方に影響します。ろ過全般の道具選びとして、水槽の汚れを取り除く プロテインスキマーの選び方 や 掃除道具の選び方 も参考になります。
茶ゴケの見分けと対処は別の記事へ
茶色い付着物には、ケイ藻のほか、シアノバクテリアや渦鞭毛藻など、見た目が似た別のものも含まれます。種類によって対処が変わるため、まずは何が起きているのかを見分けることが大切です。見分け方と具体的な対処は シアノ・渦鞭毛藻・ケイ藻の見分け方 で扱っています。
もし、茶ゴケが長く続く、サンゴの状態にも変化が出ているといった場合は、自分で原因を断定せず、専門店や飼育経験者に水質のデータを見せながら相談してみてください。微量元素の添加を行っている場合は 微量元素の添加 との兼ね合いも確認しておくと安心です。

