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ソフトコーラル| ✍️ リーフブック編集部

マッシュルームコーラル(コラリモルフ)の飼育と自然史|Fungiaとの違いも整理

コラリモルフ系マッシュルームコーラルの飼育と自然史を解説しつつ、同じ「マッシュルーム」の名で呼ばれる石灰質の造礁サンゴ、ファンギア(クサビライシ)との分類上の違いを整理する。「マッシュルームコーラル」という呼び名は、実は分類の異なる2つのグループに使われています。

ファンギア(クサビライシ)
ファンギア(クサビライシ)

この記事のポイント

コラリモルフ系マッシュルームコーラルの飼育と自然史を解説しつつ、同じ「マッシュルーム」の名で呼ばれる石灰質の造礁サンゴ、ファンギア(クサビライシ)との分類上の違いを整理する。「マッシュルームコーラル」という呼び名は、実は分類の異なる2つのグループに使われています。

「マッシュルームコーラル」という呼び名は、実は分類の異なる2つのグループに使われています。ひとつはディスコソマやリコーデアなどのコラリモルフ(いわゆる軟らかいマッシュルーム)、もうひとつはファンギア(クサビライシ)のように骨格を持つ単体性の造礁サンゴです。ここでは主に前者、コラリモルフ系のマッシュルームコーラルの飼育と自然史を扱いつつ、混同されやすいファンギアとの違いも整理します。

コラリモルフとは何者か

コラリモルフ(Corallimorpharia)は、イソギンチャクとイシサンゴの中間的な位置づけを持つ刺胞動物のグループです。石灰質の骨格を作らない点でイシサンゴとは異なり、体は円盤状の口盤と、そこから放射状に伸びる短い触手で構成されます。褐虫藻を共生させて光合成由来のエネルギーを得つつ、水中の微粒子も取り込む雑食的な生態を持つとされています。

図鑑上ではディスクコーラルリコーデアといった名称で個別に扱われており、種や個体によって発色や模様のバリエーションが非常に豊富な点が観賞魚店でも人気の理由になっています。

ファンギア(クサビライシ)は別グループ

一方でファンギア(Fungia、和名クサビライシ)は、石灰質の骨格を持つれっきとしたイシサンゴ(Scleractinia)です。多くの種が成長すると基盤から離れ、砂地の上で自由生活する単体サンゴとして暮らします。上から見ると放射状の隔壁が同心円状に広がり、その形状が食用のキノコ(マッシュルーム)を連想させることから、英語圏でも"mushroom coral"と呼ばれてきました。

コラリモルフとファンギアは見た目の連想こそ共通していますが、骨格の有無・分類上の系統・砂地での自由生活という生態など、飼育のうえで押さえるべきポイントは大きく異なります。ファンギアは砂に埋もれさせない設置、強い直接水流を避けること、単体で自由に動ける十分なスペースを確保することが基本になります。

コラリモルフ系マッシュルームコーラルの飼育のポイント

コラリモルフは総じて丈夫で、強い照明や強い水流を苦手とする種が多いという特徴があります。飼育の要点を整理すると次のようになります。

  • 照明は強すぎない中程度の光量から様子を見る(直射的な強光でしぼむ個体が多い)
  • 水流は緩やかな揺らぎ程度にとどめ、直接当て続けない
  • 岩の隙間や平らな面などに定着させ、周囲に伸びるスペースを確保する
  • 栄養塩がある程度残る環境でも比較的耐性があり、立ち上げ初期の水槽にも導入しやすい

飼育のしやすさから、ソフトコーラル入門としてスターポリプやマメスナと並んで紹介されることが多いグループでもあります。

増やし方と自然史から見る生態

コラリモルフは口盤を含む組織の一部を切り分けることで増殖させることができ、親個体と同じ模様・色調のクローンを複数得られるのが増殖の基本的な考え方です。切り出した組織片は岩や骨格の破片に定着させ、水流の緩やかな場所で養生させると、時間の経過とともに新しい個体として独立していきます。

自然界では、サンゴ礁の礁原や礁縁など光量・水流の変化が大きい環境に群生していることが多く、単体で見つかることは少ないとされています。群生する性質は水槽内でも見られ、環境が合うと徐々に増殖して岩面を覆っていく姿を観察できます。

体調を崩すと収縮したまま開かなくなったり、口盤が裂けたようになることがありますが、原因は水質の急変や隣接個体との接触など様々です。異常が続く場合は自己判断で薬剤等を用いる前に、専門店やアクアリウムに詳しい経験者へ相談することをおすすめします。特にコラリモルフは増殖力が旺盛なぶん、狭い水槽では他の個体を覆ってしまうこともあるため、定期的にレイアウトを見直し、伸びすぎた範囲を株分けして間引く管理も長期的には有効です。

コラリモルフとファンギア、どちらも「マッシュルーム」の名で呼ばれる魅力的なサンゴですが、まずはこの2つが別グループであることを知っておくと、図鑑や店頭での情報がぐっと理解しやすくなるはずです。名前だけで判断せず、骨格の有無や設置方法の違いを踏まえたうえで、それぞれの生態に合った飼育環境を用意してあげることが、長く元気な姿を楽しむための近道になります。

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リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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