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海でサンゴを拾ってよい?|死んだかけらも対象になりうる採捕規制と自然公園法の基本

海辺のサンゴは、生きた群体だけでなく原形をとどめた死骸やかけらも採捕規制の対象になりえます。都道府県の漁業調整規則と自然公園法の海域公園地区という二つの仕組みを、沖縄県の案内を例に整理します。海辺や磯でサンゴのかけらを見つけると、記念に持ち帰りたくなったり、水槽のレイアウトに使えないかと考えたりすることがあります。

リコーデア
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この記事のポイント

海辺のサンゴは、生きた群体だけでなく原形をとどめた死骸やかけらも採捕規制の対象になりえます。都道府県の漁業調整規則と自然公園法の海域公園地区という二つの仕組みを、沖縄県の案内を例に整理します。海辺や磯でサンゴのかけらを見つけると、記念に持ち帰りたくなったり、水槽のレイアウトに使えないかと考えたりすることがあります。

海辺や磯でサンゴのかけらを見つけると、記念に持ち帰りたくなったり、水槽のレイアウトに使えないかと考えたりすることがあります。ところが日本の海では、生きているサンゴだけでなく、死んだサンゴの骨格やかけらでも、条件によっては採ることそのものが規制されています。ここでは、都道府県ごとの漁業調整規則と自然公園法という二つの仕組みを、沖縄県の案内を例に整理します。海外から輸入されるサンゴの規制はCITES(ワシントン条約)とサンゴの輸入規制を知るで扱っているので、この記事では「日本の海で自分が採る」場面に絞ってお話しします。

サンゴの採捕を決めるのは都道府県の漁業調整規則

海の生き物を採ること(法令では「採捕」と呼びます)のルールの中心になるのが、都道府県ごとの漁業調整規則です。水産庁の説明によると、都道府県知事は漁業法と水産資源保護法の規定に基づき、農林水産大臣の認可を受けて漁業調整規則を定めることができます。水産庁は全国で一定の水準をそろえるための「規則例」を作っていますが、実際にどの生き物をどう規制するかは都道府県ごとに異なります(水産庁:都道府県漁業調整規則について)。

この規則は漁業者だけのものではなく、釣りや磯遊びを楽しむ一般の人の行動にも関わります。水産庁は都道府県ごとの遊漁のルール・マナーの案内先を一覧にしているので、出かける先の都道府県の頁を確かめるのが出発点になります(水産庁:都道府県ごとの遊漁のルール・マナー)。

沖縄県の例:死んだサンゴも原形があれば対象

サンゴ礁が広がる沖縄県は、沖縄県漁業調整規則に基づいて造礁サンゴ類の採捕を禁止しており、その範囲を公式の頁で詳しく説明しています(沖縄県:造礁サンゴ類の採捕等は禁止されています。)。対象の造礁サンゴ類は、イシサンゴ目、アナサンゴモドキ科、ウミトサカ目(石灰軸亜目、角軸亜目、石軸亜目〔ムラサキハナヅタとサンゴ科を除く〕に限る)、クダサンゴ科、アオサンゴ目に属するものとされています。また「採捕」は、自然の状態にある水産動植物を採ったり捕まえたりする行為で、死骸も含むと説明されています。

同じ頁で採捕禁止とされているのは、主に次のようなものです。

  • 海中に自生しているサンゴ(岸壁や消波堤、ロープなどに自然に付いたものも含む。養殖物は除く)
  • 折れて海域に落ちているサンゴのうち、生死を問わず原形をとどめているもの
  • サンゴの死骸(骨格)
  • サンゴの卵が付いた基盤

一方で、砂状・れき状・石状などになった死サンゴは禁止の対象から除かれています。原形をとどめていないかけらを利用したい場合は、海岸の管理者に問い合わせるよう案内されています。さらに、違法に採捕したサンゴを持っていることや販売することも禁止されています。試験研究や教育実習、増養殖用の種苗の供給については県が内容を審査したうえで特別に許可できるとされていますが、移植のために天然のサンゴを採ることは試験研究に当たらないとも明記されています。

つまり「枝の形が残った白い骨格を浜で拾う」行為は、沖縄県では禁止の範囲に入りうるということです。ほかの都道府県でも同じとは限らないため、必ずその土地の規則を確かめてください。

自然公園法の海域公園地区という別の枠組み

漁業調整規則とは別に、国立公園や国定公園の海域には自然公園法の規制がかかる場所があります。自然公園法第22条は「海域公園地区」について定めており、環境大臣が指定する区域内で、熱帯魚、さんご、海藻その他の動植物のうち区域ごとに指定されたものを捕獲・採取・損傷する行為には、国立公園では環境大臣、国定公園では都道府県知事の許可が必要とされています(e-Gov法令検索:自然公園法)。

漁業調整規則で問題がないように見えても、場所が海域公園地区であれば別の許可の問題が生じます。二つの仕組みが重なっている、と考えておくと確認漏れを防げます。

拾う前に確かめたいこと

迷ったときは、次の順番で確かめるのがおすすめです。

  1. 拾おうとしている場所がどの都道府県かを確かめ、その都道府県の漁業調整規則や遊漁のルールを読む
  2. その海が国立公園・国定公園の海域公園地区に当たるかを確かめる
  3. 枝や骨格の形がわかるサンゴは、生きていても死んでいても持ち帰らない前提で考える
  4. 原形のないかけらや砂についても、利用してよいかを海岸の管理者や都道府県の担当課に問い合わせる

規則の文言は改正されることがあるため、古いブログや口コミではなく、都道府県や省庁の公式の案内で確かめることが大切です。国内での採捕に関わる法令の種類や、輸入・飼育生体の放流に関わる規制の概要は、サンゴ・海洋生物の取引・規制ガイドにもまとめています。

水槽で楽しむサンゴは養殖個体や正規の流通品から

沖縄県の頁は、天然のサンゴは購入できないとしたうえで、購入時には人工物の基盤やタグが付いているなど、養殖品であることを確かめるよう呼びかけています。水槽で育てるサンゴは、ワイルド個体と養殖(アクアカルチャー)個体の違いで紹介しているように、来歴がはっきりした個体を選ぶのが安心です。レイアウト用の岩が欲しい場合は、海で拾ったサンゴではなくドライロックで始める立ち上げのような市販の素材を使う方法もあります。

海のサンゴは、生きている群体も死んだ骨格も、サンゴ礁の地形や生き物のすみかを形づくる一部です。サンゴ礁の保全とアクアカルチャーの意義もあわせて読み、海で見つけたサンゴはその場に残して楽しむことを基本にしてください。

✍️

リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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