サンゴの種類と分類|SPS・LPS・ソフトコーラルの違いと特徴
SPS・LPS・ソフトコーラルというアクアリウム業界の慣習的な分類の違いと、それぞれの特徴を解説します。サンゴの3つの大分類:SPS・LPS・ソフトコーラル サンゴ飼育の世界では、種類を厳密な生物学的分類ではなく、飼育者にとって扱いやすい「SPS」「LPS」「ソフトコーラル…

この記事のポイント
SPS・LPS・ソフトコーラルというアクアリウム業界の慣習的な分類の違いと、それぞれの特徴を解説します。サンゴの3つの大分類:SPS・LPS・ソフトコーラル サンゴ飼育の世界では、種類を厳密な生物学的分類ではなく、飼育者にとって扱いやすい「SPS」「LPS」「ソフトコーラル…
サンゴの3つの大分類:SPS・LPS・ソフトコーラル
サンゴ飼育の世界では、種類を厳密な生物学的分類ではなく、飼育者にとって扱いやすい「SPS」「LPS」「ソフトコーラル」という3つのグループで語られることがよくあります。これは正式な学術分類ではなく、骨格の形状や見た目、飼育難易度の傾向に基づいたアクアリウム業界の慣習的な分類です。まずはそれぞれの大まかな特徴を押さえておくと、図鑑で個々の種類を調べる際の理解が深まります。
これからサンゴ水槽を始める人にとって、この3分類は「どのグループから手をつけるか」を考える際の見取り図として役立ちます。一般的には、丈夫とされる種が多いソフトコーラルやLPSから始め、水質・光・水流の管理に慣れてからSPSに挑戦するという進め方がよく紹介されますが、これもあくまで傾向であり、個々の種の特性を確認することが前提になります。
SPS(Small Polyp Stony)とは
SPSは「Small Polyp Stony」の略で、直訳すると「小さなポリプを持つ石灰質サンゴ」です。ミドリイシ(Acropora)やハナヤサイサンゴ(Montipora)などが代表例で、炭酸カルシウムの硬い骨格を持ち、ポリプ一つ一つが非常に小さいのが特徴です。一般に強い光と安定した水流、そして安定した水質(カルシウム・KH・マグネシウムなど)を要求する傾向があるとされ、飼育難易度はやや高めに位置づけられることが多いグループです。詳しくはミドリイシ飼育の基礎も参考にしてください。
SPSは枝状・テーブル状・エンクラスティング状など成長パターンが多様で、色彩のバリエーションも豊富なことから、レイアウトの主役として好まれる傾向があります。一方で水質・光・水流のわずかな変化にも敏感に反応するとされ、立ち上げて間もない水槽や、パラメーター管理に慣れていない段階でいきなり多く導入するのは避けた方が無難だとされています。
LPS(Large Polyp Stony)とは
LPSは「Large Polyp Stony」の略で、SPSと同じ石灰質の骨格を持ちますが、ポリプが大きく肉厚で、触手を大きく広げる種類が多いグループです。ユーフィリア(Euphyllia)のハンマー・トーチ・フロッグスポーンなどが代表例です。SPSに比べると光や水流の要求がやや緩やかとされる種類が多く、初めてストーニーコーラルに挑戦する飼育者の入口になりやすいグループでもあります。ただし種によって性質の差が大きく、LPSサンゴ入門で個別の傾向を確認しておくと安心です。
LPSは大きく広がる触手を持つ種が多いため、隣接する他のサンゴとの間隔にも配慮が必要です。触手が届く範囲に他個体を配置すると接触によるトラブルにつながることがあり、レイアウトを組む際は将来の成長も見込んだ間隔を確保しておくことが望まれます。
ソフトコーラルとは
ソフトコーラルは、SPS・LPSのような硬い炭酸カルシウムの骨格を持たない(あるいは骨片のみを体内に持つ)グループです。レザーコーラルやウミアザミ(ゼニア)などが代表例で、体が柔らかく水流に合わせて揺れ動くのが見た目上の大きな特徴です。一般に丈夫で環境の変化に強い種類が多いとされ、初心者に優しいソフトコーラルとしてしばしば紹介されます。ただし種によっては他のサンゴへ化学的な影響(アレロパシー)を及ぼすものもあるため、水槽内での組み合わせには注意が必要です。
ソフトコーラルの中には成長・増殖が旺盛な種も多く、株分けによって数を増やしやすいという特徴もあります。増やし方の具体的な手順はソフトコーラルの増やし方で解説しているので、増えすぎた場合の管理も含めて事前に確認しておくと安心です。
分類はあくまで目安として使う
SPS・LPS・ソフトコーラルという分け方は便利な目安ですが、あくまで飼育者コミュニティの慣習的なグルーピングであり、生物学的な分類(目・科・属など)とは一致しない部分も多くあります。同じ「LPS」に分類される種の中にも、光や水流への要求が大きく異なるものが存在します。実際に飼育を検討する際は、大分類だけで判断せず、図鑑で個別の種のページを確認し、その種固有の特徴を確認することをおすすめします。





