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海水水槽| ✍️ リーフブック編集部

人工海水の作り方と比重・塩分|塩分濃度の測定と調整の基本

人工海水の基本的な作り方と、比重計・屈折計を使った塩分濃度の測定方法、目安となる比重の範囲や調整の考え方を解説する。人工海水とは 海水水槽では、天然の海水をそのまま使うのではなく、RO/DI水などの浄水に人工海水の素(塩分やミネラルを配合した粉末や顆粒)を溶かして作る「人工海水」を用いるのが一般的です。

アカンサストレア
アカンサストレア

この記事のポイント

人工海水の基本的な作り方と、比重計・屈折計を使った塩分濃度の測定方法、目安となる比重の範囲や調整の考え方を解説する。人工海水とは 海水水槽では、天然の海水をそのまま使うのではなく、RO/DI水などの浄水に人工海水の素(塩分やミネラルを配合した粉末や顆粒)を溶かして作る「人工海水」を用いるのが一般的です。

人工海水とは

海水水槽では、天然の海水をそのまま使うのではなく、RO/DI水などの浄水に人工海水の素(塩分やミネラルを配合した粉末や顆粒)を溶かして作る「人工海水」を用いるのが一般的です。天然海水は採取場所や時期によって水質にばらつきがあり、病原体や汚染物質混入のリスクもあるため、品質を一定に保ちやすい人工海水が広く使われています。

人工海水の作り方の基本手順

人工海水を作る際の基本的な流れは次のとおりです。

  1. RO/DI水など、不純物を除去した原水を用意する
  2. 規定量の人工海水の素を計量し、原水に溶かす
  3. 循環ポンプなどでしっかり撹拌し、完全に溶解させる
  4. 水温を水槽と同程度に合わせる
  5. 比重計または屈折計で塩分濃度を確認し、目安の範囲に収まっているか確認する

配合比率は製品によって異なるため、まずは使用する人工海水の素に示された規定量を守ることが基本になります。溶け残りがあると比重の測定値が不安定になるため、十分に撹拌してから計測することが大切です。

比重・塩分濃度とは何か

「比重」とは、水の密度を基準(真水を1.000とする)と比較した値で、海水には塩分やミネラルが溶け込んでいる分、真水より比重が高くなります。比重は塩分濃度と水温の両方に影響されるため、測定の際は水温条件も踏まえて評価する必要があります。

サンゴ水槽で目安とされる比重は、天然のサンゴ礁海域の海水に近いおおむね1.023〜1.026程度(25℃換算)の範囲です。ソフトコーラル中心の水槽ではやや低め、SPSサンゴなど天然に近い環境を好む種類を中心とする水槽ではやや高めの範囲で管理されることもありますが、いずれにしても急激な変動を避け、一定範囲で安定させることが優先されます。

比重計・屈折計での測定方法

塩分濃度を測る道具には主に次の2種類があります。

  • 比重計(浮き式・スワイングアーム式など):水中に浮かべて目盛りを読み取るシンプルな道具。手軽だが、気泡の付着や水温補正の考慮不足で誤差が出やすい
  • 屈折計(リフラクトメーター):光の屈折率から塩分濃度を算出する道具。少量のサンプル水で測定でき、比重計より安定した数値が得られやすいとされる

いずれの道具も、定期的に基準液(既知の濃度の校正用液)で校正しておくと測定精度を保ちやすくなります。また、同じ道具を使い続けることで、経時的な変化を相対的に比較しやすくなります。

溶解と撹拌のコツ

人工海水の素は、原水に投入した直後は完全に溶けきっていないことが多くあります。撹拌が不十分なまま比重を測定すると、実際より低い値や不安定な値が出ることがあります。エアレーションや循環ポンプを使ってしっかり撹拌し、水が透明になり底に溶け残りがないことを確認してから計測するとよいでしょう。

水量が多い場合や急いで水槽に投入したい場合でも、撹拌時間を省略しないことが安定した比重管理の基本になります。目安として、撹拌開始からある程度の時間をおいて再度比重を確認し、数値が安定しているかをチェックする習慣をつけておくと、投入後のトラブルを防ぎやすくなります。

塩分濃度の調整方法

測定した比重が目安の範囲から外れていた場合の基本的な調整方法は次のとおりです。

  • 比重が高すぎる場合:RO/DI水など塩分を含まない水を足して薄める
  • 比重が低すぎる場合:人工海水の素を追加で溶かすか、比重の高い人工海水を別に作って加える

いずれの調整も、急激に行うとサンゴや魚に大きなストレスを与えます。時間をかけて少しずつ調整し、水槽全体の水温・水質の変化も含めて緩やかに進めることが望ましいです。特に水換え時に新しく作った人工海水の比重が水槽の比重と大きくずれていると、水換えのたびに変動を繰り返すことになるため、水換え前には必ず新しい海水の比重を確認する習慣をつけておきたいところです。

水温変化と塩分濃度の関係

比重は水温によって値が変わるため、測定した数値を評価する際は「その道具が何度を基準に設計されているか」を確認しておく必要があります。多くの比重計・屈折計は25℃を基準とした目盛りになっているため、水温が大きく異なる状態で測定すると実際の塩分濃度とずれた値になることがあります。可能であれば、水温を水槽と近い状態に合わせてから測定すると、より実態に近い数値を得やすくなります。

水温そのものの管理は別のテーマになりますが、水温と比重は互いに関連し合う要素であるため、日々の水質チェックではあわせて記録しておくと、水槽全体の状態変化を把握しやすくなります。ヒーターやクーラーによる水温管理については海水水槽の温度管理|適水温・ヒーター・クーラーと夏場の高水温対策も参考にしてください。

まとめ

人工海水の作り方自体はシンプルですが、比重・塩分濃度の管理はサンゴ水槽の水質を支える基本要素です。比重計・屈折計を使った定期的な測定と校正、そして急激な変動を避けた緩やかな調整を心がけることで、サンゴにとって安定した環境を保ちやすくなります。水質管理の全体像についてはサンゴ水槽の水質管理|KH・カルシウム・マグネシウムの基礎や、リーフタンクの立ち上げ|サイクリングから初期メンテまでの道のりも参考にしてください。

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リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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