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海水水槽| ✍️ リーフブック編集部

ドージングポンプの選び方と校正|添加剤を一定量で送る機器

ドージングポンプの仕組みと選ぶ際の観点、送液量を合わせる校正の手順、運用中の注意点を解説します。カルシウムやKH、マグネシウム、微量元素などの添加を、毎日同じ時刻に同じ量だけ自動で送ってくれる機器がドージングポンプです。手動の添加は、忙しい日や旅行中に抜けやすく、一度に大量に入れると水質の急変を招くこともあります。

リコーデア・ユマ
リコーデア・ユマ

この記事のポイント

ドージングポンプの仕組みと選ぶ際の観点、送液量を合わせる校正の手順、運用中の注意点を解説します。カルシウムやKH、マグネシウム、微量元素などの添加を、毎日同じ時刻に同じ量だけ自動で送ってくれる機器がドージングポンプです。手動の添加は、忙しい日や旅行中に抜けやすく、一度に大量に入れると水質の急変を招くこともあります。

カルシウムやKH、マグネシウム、微量元素などの添加を、毎日同じ時刻に同じ量だけ自動で送ってくれる機器がドージングポンプです。手動の添加は、忙しい日や旅行中に抜けやすく、一度に大量に入れると水質の急変を招くこともあります。ドージングポンプは、少量を一定のリズムで送ることで、水質の安定を支える機器です。この記事では、仕組み、選び方、そして最も大切な校正(キャリブレーション)の考え方を整理します。

ドージングポンプの仕組み

ドージングポンプの多くは、ペリスタルティックポンプという方式を使っています。柔らかいチューブをローラーで順番に押し出し、液体を送る仕組みです。液体が機械の内部に触れず、チューブの中だけを通るため、添加剤の種類を変えても内部が汚れにくい利点があります。

送る量はモーターの回転数と運転時間で決まります。たとえば、毎日一定の回数に分けて少量ずつ動かすプログラムが組めるものが一般的です。ポンプの性能を考えるとき、次のような要素が関係します。

  • チューブの内径。太いほど一回あたりの送液量が増えます
  • モーターの回転数と運転時間
  • チューブの劣化。使い込むと弾力が落ち、同じ設定でも送る量が変わります
  • 添加剤の粘度や、送る距離、落差(液面と注入口の高低差)

このように、設定値だけでは実際の送液量は決まりません。実際の量を確かめる作業が、校正になります。

選ぶときに見るポイント

機種を選ぶときは、価格や見た目だけでなく、運用に合うかどうかを基準にします。

  1. 添加したい項目の数。カルシウム、KH、マグネシウムを別々に送るなら、複数のチャンネルが必要です。チャンネルが多い機種を選ぶと、後から項目を増やしても対応できます
  2. 一回あたりの最小の送液量と精度。少量を正確に送れる機種は、小型水槽や微量元素の添加に向きます
  3. プログラムの柔軟性。時刻ごとの回数・量の設定、手動での追加運転、停電後の復帰動作などです
  4. 操作方法。本体のボタンで設定するか、アプリや外部コントローラーと連携するか
  5. チューブや部品の交換のしやすさ。消耗品が入手しやすいかも確認します
  6. 設置のしやすさ。添加剤の容器を置く場所と、水槽の注入口までの距離

添加の対象や運用の考え方は、添加剤運用の記事や微量元素ドージングで整理しています。ポンプはあくまで「送る道具」であり、何をどれだけ入れるかは水質検査の結果に基づいて決めます。

校正の手順と考え方

校正は、「ポンプの設定値」と「実際に送られた量」を一致させる作業です。方法は機種によって違いますが、基本の流れは共通しています。

  1. 添加剤を入れる容器と同じ位置、同じ長さのチューブで、実際の運用と同じ配管にする。落差や配管の長さが変われば、送液量も変わります
  2. 注入口を、メスシリンダーや計量カップなど量を測れる容器に向ける
  3. ポンプに一定時間または一定回数だけ運転させ、容器に出た量を測る
  4. 測った量と設定値のずれを確認し、機種の校正機能で補正する
  5. 同じ条件で数回繰り返し、ばらつきがないかを確認する

校正する際は、配管に空気が残っていると正確に測れません。最初にチューブの中を液体で満たす「呼び水」の運転を行い、空気を抜いてから測定します。

校正は一度やれば終わりではありません。チューブは消耗するため、定期的な再確認が必要です。また、添加剤の種類を替えた場合や、チューブを交換した場合は、校正をやり直します。

運用中の注意点とトラブル

ドージングポンプは自動で動く分、トラブルが起きたときの影響も大きくなります。次の点に気をつけてください。

  • 添加剤の容器と注入口の位置。容器の位置が水槽より高いと、ポンプが止まっていても液体が流れ込むサイフォン現象が起こりえます。逆流防止弁を使う、容器を水槽の水面より低くするなどの対策を検討します
  • 注入口の位置。添加剤が、サンゴや魚に直接かからず、水流が強い場所で速やかに拡散する位置にします。カルシウムとアルカリ度の添加剤を同じ場所に入れると、白い沈殿ができやすくなります
  • 配管の詰まり。濃い液体は、チューブの先で結晶が固まり、詰まる原因になります。定期的に洗浄します
  • 水質検査での確認。ポンプの設定が正しくても、消費量が変わると水質はずれます。水質検査の記事を参考に、定期的に測定します

添加量を誤ると、KHやカルシウムが急に変動し、サンゴにストレスを与える可能性があります。ミドリイシ(Acropora)のようにアルカリ度の変動に敏感な種を飼育している場合は、特に慎重に運用してください。カルクワッサーを自動で送る場合の注意はカルクワッサーの記事も参考になります。

停電・故障への備えと記録

ポンプが停電で止まる、あるいは故障して連続運転になる事故に備えて、次のような対策が考えられます。

  • 一日の添加量の上限を決め、容器の液量を必要以上に多くしない
  • 旅行などで長期間家を空ける前は、動作を確認し、残量を確認する。留守中の点検は留守番チェックリストも参照してください
  • 停電後に正しく復帰するか、時刻設定が維持されるかを確認する

水槽の水質データと添加量は、記録を残しておくと、変化の原因を追いやすくなります。ReefBookの個体記録では、飼育中のサンゴの来歴や状態を残せます。図鑑で種ごとの特徴を調べながら、添加の運用と各個体の様子を合わせて見直すと、水槽全体の安定につながります。

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リーフブック編集部

サンゴの飼育情報を専門に扱うリーフブック編集部。飼育・水質・機材の各分野を取材し、初心者にも分かりやすい記事をお届けします。

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