トラキフィリア
Trachyphyllia geoffroyi(Audouin, 1826)種
大きく肉厚なポリプが床置きされるLPS珊瑚。蛍光の赤やグリーンが美しい。寿命は10年以上。成体サイズは5〜20cm。光合成・液体フード。

名前・別名
- 通称Trachyphyllia
- 通称トラキフィリア
- シノニムAntillia duncani
- シノニムAntillia flabelliformis
- シノニムAntillia geoffroyi
- シノニムAntillia infundibuliformis
- シノニムAntillia orientalis
解説
トラキフィリア(Trachyphyllia geoffroyi、科: トラキフィリア科)はインド太平洋の砂底・礁斜面に生息する単体性LPSサンゴで、「オープンブレインコーラル」とも呼ばれます。岩盤に固着せず砂底に自由に横たわる自由生活性サンゴで、直径5〜20cmの大きな肉厚ポリプが脳状の骨格を包みます。赤・緑・オレンジ・ピンク・マルチカラーなど非常に鮮やかな色彩を持ち、夜間には大きく膨らんで給餌反応を示します。飼育には弱〜中程度の照明(80〜180 PAR)と弱い間接水流が最適です。砂底に直接置くことが重要で、岩に接触させると組織にダメージを与えます。水温24〜27℃、KH 8〜10、Ca 400〜420ppmを維持します。週1〜2回の給餌(小型エビ・魚の切り身)でポリプが充実し、色彩が向上します。比較的丈夫で飼育しやすく、鮮やかな色彩と独特の生活様式がリーフアクアリストに人気の品種です。
グレードの目安
この属で流通時に使われるグレード呼称。販売者ごとに基準は異なります。
- 標準
- 緑や茶の単色〜2色で、縁(フリル)の発色が弱い個体。中心と縁の色差が小さい。
- セレクト
- 縁に赤やピンクの発色があり、中心と縁で2〜3色に分かれる個体。蛍光もはっきり出る。
- ウルトラ
- 中心に3色以上が入り、縁の発色と蛍光が強い個体。「ウルトラトラキ」として流通する。
- マスター
- 中心が4色以上で虹色に近く、縁まで強く発色する最上位個体。「マスタートラキ」と呼ばれる。
グレードは販売者の主観で、縁の発色・中心の色数・蛍光の強さで判断されます。開き具合と照明で印象が変わるため、閉じた状態や自然光下の写真も確認してください。
飼育条件
| タイプ | LPS(好日性大型ポリプ) |
|---|---|
| 水温 | 24〜27℃ |
| 比重 | 1.023〜1.025 |
| 塩分濃度 | 33〜35 ppt |
| KH(炭酸塩硬度) | 8〜12 dKH |
| Ca(カルシウム) | 400〜450 mg/L |
| Mg(マグネシウム) | 1280〜1350 mg/L |
| 光量 | 中程度 |
| 水流 | 弱め |
| 配置 | 底面 |
管理のコツ
- 配置—砂底に直接置く
- 光環境—弱〜中程度の光量
- 給餌—大きなポリプに直接給餌可能
- 注意点—蛍光レッドの個体が特に人気
規制・保全情報
- CITES(ワシントン条約):
- 附属書II
- 備考:
- イシサンゴ目(Trachyphyllia geoffroyi, Merulinidae)。CITES 附属書II。
参考・出典
- AlgaeBarn: SPS/LPS care (PAR/flow)(careSpec)
- AlgaeBarn: Water Parameters 101(careSpec)
- DOC NZ / CITES-listed corals (Scleractinia spp. = App. II)(regulatory)
- Wikipedia(detail)
この属の流通系統
この属に含まれる流通名・銘(Named Lineage)。名前から系統ページを見られます。
近縁・同じタイプのサンゴ
アカンサストレアlps初心者向け大きなポリプにメタリックな色彩が入るLPS珊瑚。オーストラリア産の高級個体が人気。寿命は10年以上。成体サイズは5〜20cm。光合成・液体フード。
アカンソフィリアlps中級者向けカラフルな色彩バリエーションが豊富なLPS珊瑚。コレクター人気が高く高額個体も多い。寿命は10年以上。成体サイズは5〜20cm。光合成・液体フード。
アカントフィリアlps中級者向け単体の巨大なポリプを持つLPSサンゴ。赤、緑、青など鮮やかな色で「ミートコーラル」とも呼ばれる。肉厚な組織が膨張する姿は圧巻。
アカンロードlps中級者向け鮮やかな多色の模様が宝石のように美しいLPS珊瑚。コレクターに大人気の高級種。寿命は10年以上。成体サイズは5〜20cm。光合成・液体フード。
アルベオポラlps中級者向けゴニオポラに似た長い触手を持つLPS珊瑚。ゴニオポラより丈夫で飼育しやすい。寿命は10年以上。成体サイズは5〜20cm。光合成・液体フード。
イボヤギ類(サンコーラル)lps上級者向け鮮やかなオレンジ色の非光合成サンゴ。光に頼らず給餌のみで育てる。夜間にポリプを全開する美しい姿。寿命は適切な管理で10年以上。ミシスシュリンプ・ブラインシュリンプ(毎日〜隔日給餌)。関連する飼育コラム

ロボフィリアとシンフィリアの飼育|オオハナサンゴ類の特徴と給餌・設置
肉厚で大型のLPS、ロボフィリアとシンフィリアの見分け方から、照明・水流の目安、傷つけない設置と給餌、近隣サンゴとの距離、不調のサインまでを一般的な考え方でまとめます。

LPSサンゴのフラグ化(カット)の方法|骨格の切断とSPSとの違い・注意点
LPSサンゴのフラグ化はSPSとは異なり、肉厚な軟体組織の保護が最優先になります。骨格の切断位置の見極め方や道具の選び方、カット後の管理のポイントを整理します。

LPSのポリプ伸長と回復戦略|ストレス徴候の見分け方
LPSサンゴのポリプ伸長パターンを手がかりに、ストレスや不調のサインを見分け、輸送・フラグ後の回復を待つ際の考え方を整理する。
この種をお迎えする
サンゴ・海水魚のブリーダー・専門店直販マーケットプレイス「ブリちょく」で、生体を直接購入できます。
※外部サイト(ブリちょく)が新しいタブで開きます。